建築業界において、監査の業務と言うものがあります。
もともと、「管理」「監理」と言う言葉がありました。
「管理」「監理」? 違いが分かりますか???
「管理」は主に工程管理。建設施工の工事監督が行うような業務です。
「監理」は施工の監理。僕たち建築士が設計図書通りに施工出来ているか確認を行うような業務です。
「管理」と「監理」は行う意味と立場が大きく違います。
さて、では「監査」はなんなんでしょう?
私が今携わってる監査の業務は、工事の都度のタイミングで建築確認申請の図書には載らない納まりなどを自社で決めた基準の通りに施工が出来ているかを確認する業務になります。自社で決めた基準とは例えば、基礎の鉄筋の結束ピッチ・土台の継手付近のアンカーボルト・石膏ボードの釘ピッチ・屋根のアスファルトルーフィングの貼り方など、細かい基準になります。その内容は逆にいいますと建築確認申請の図書つまり建築基準法には載らない基準になります。建築基準法は最低限の基準なので、実際の施工になると色んな解釈が出来てしまいます。施工は大工さんの采配になる事になってしまうので統一された基準で施工し、施工会社さんの自社の建物の施工の基準化を図り、お客様に安心をお届けするものと思っています。
私自身、デスクワークでCADで図面を書くことがほとんどの時間を要していましたが、現在監査の業務をすることにより、多くの会社さんの施工や滅多に見ることが無い工事を見ることができ、また多くの大工さんや職人さんとも接触出来るので、自身の経験としてはとても良いもので財産になっています。