良質な建築物を造るために最も基本となるのは、建築物を生産するシステムが的確であることです。
それはすなわち、企画・設計・製造・施工・維持管理までの建築生産の各段階が、それぞれの機能を
十分に発揮すると共に、相互が円滑に連携してはじめて実現されるものなのです。
たとえば、企画・設計は、出来あがった建物としての使い勝手の良さばかりでなく、製造・施工等の各プロセスを十分配慮し、また製造加工段階では、材料・部品・設備などについて品質の優れたものを製作すると共に、現場の加工性に配慮しなければなりません。 特に施工は、現場で最終の製品を造るプロセスであり、それ以前での各プロセスでの出来具合を調整するだけでなく、最終製品としての品質を決定してしまうものです。
良質な建築物を造るには、この各プロセス間の連携、調整を的確に行うことが非常に大切です。
このように専門化、分化が進めば進むほど、その相互間の連携が円滑でないと欠陥のある建築物を造ってしまう恐れがあります。
その全プロセスを一貫して品質管理を行いつつ、連携させていくことが建築士の役割です。